2010年05月28日

驚異的な録音 〜 ショルティ/ストラヴィンスキー:春の祭典

 
自分の我を押し通すフルトヴェングラーに対し、柔軟に対応す
るショルティ。録音に関していえば、この寛容さが良い方向に
進んだ。

”指環”を例に挙げるまでもなく、ショルティのレコードは録音
に恵まれている。ある意味、英デッカに拾われたからこそ、彼
の地位が築けたといっても過言ではない。

ステレオ初期に各レコード会社が素晴らしい演奏と録音を残し
たが、60年代中頃より米RCAをはじめ、多くのレコード会社
の録音が寂しいものになっていく中、デッカとEMIの英国勢
は好録音を残し続けた。

今回紹介するショルティ/ストラヴィンスキー:春の祭典も70
年代の英デッカを代表する一枚。

SXL6691j.jpg
ショルティ/ストラヴィンスキー:春の祭典
英デッカ SXL6691

定位のよさ、奥行き感が見事で、弦楽器の合奏では楽器の傾き
が見える気がするし、管楽器の受け渡しの部分では移動する様
が手に取るように分かる。低域は気持ちいいくらいよく伸びて、
オーディオ的快感が得られる。これは70年代の特徴であり美点
でもある。

このレコードを聴いて音が悪いと感じたら、オーディオ装置に
どこか不備があると思うべきで、我が家のオーディオの調整時
にしばしば登場するレコードであり、その信頼に足る音質。

海外での評価は非常に高く、オークションでも高値で取引され
ているが、日本では思いのほか評価が低く不思議。

以前にも書いたが、R・シュトラウスとストラヴィンスキーは
ちょっと苦手な作曲家だが、レコードとしてみると両者とも好
録音が多い。

理由は色々あろうが、バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト
といった作曲家の決定版ともいえる演奏のレコードがすでにあ
る60年代には次なるターゲットとして上記二人や、ブルックナー、
マーラーといったところが取り上げられ、いい時期にレコード
化されていったからではないかと思っている。

1951年、バイロイトのオープニングはフルトヴェングラーによ
るベートーヴェンの第九だった。つまり、聴衆はベートーヴェン
を待っていた。

1960年頃、カラヤン移籍初のレコードはDGには「英雄の生涯」、
英デッカには「ツァラトゥストラはかく語りき」を録音し、何れも
R・シュトラウスを取り上げている。

そして、70年代の後半からバロックにおける古楽器が台頭し、
デジタル録音が始まる。

スピーカーもタンノイオートグラフのように実在感ありありの
大型からARのようなパワーを入れてブルンブルン鳴らす小型
ブックシェルフになり、現代は音場を見るような、細身で奥行
きの深いタイプと主流が変わってきている。

ちょっと強引なこじ付けで、ベートヴェンの交響曲全集は何れ
の時代でも登場しているのだが、録音技術やオーディオ機器、
サウンドは当然として、作曲家、演奏者も時代の流れにに呼吸
するように変化している気がする。

今は何が来ているのだろう。


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2010年05月27日

悲しき録音 〜 フルトヴェングラー/ブラームス:交響曲第2番

 
フルトヴェングラーといえば、その多くは英EMI(英HMV)
に名演を残しているが、英デッカにも数枚録音している。

ブラームスの交響曲第2番もそんな一枚。

LXT2586j.jpg
フルトヴェングラー/ブラームス:交響曲第2番
英デッカ LXT2586

英デッカといえば、ステレオ初期に優秀録音盤を数多く出して
いることは周知の事実だが、すでにモノラルの時代から今聴い
ても驚くほどの録音技術を持っていた。

E.クライバーのベートーヴェン交響曲、フェリアー/ワルター
のマーラー:大地の歌、C.クラウスの数々と愛聴盤も多い。

期待して購入したフルトヴェングラーのブラームスだったが、
英デッカの録音とは思えないほど音が悪い。

オレンジ地に金文字、内溝、フラット盤はオリジナルレーベル
で間違いないのにどうしてこんなことになるのか、レコードが
悪いのかと何枚か購入したが、どれも大差ない。

LXT2586.jpg
英デッカ LXT2586のレーベル

ここまでくるとオーディオ装置と相性が悪いのか、はたまた自
分自身のせいなのかと思ってしまうが、同レーベルの他のレコ
ードが活き活きと鳴っているだけに腑に落ちない。

こんな思いが何年も続いたが、「レコードはまっすぐに」とい
うジョン・カルショウの本を読んで長年の疑念が晴れた。

カルショウ.jpg
レコードはまっすぐに −あるプロデューサーの回想−
ジョン・カルショウ 著、山崎浩太郎 訳、学習研究社 刊

ジョン・カルショウはショルティの”指環”をはじめ、数々の
名録音を残した英デッカの名プロデューサー。

この本の86〜87ページでこの録音について述べていて、要約す
ると、デッカが慎重にセッティングしたマイクをフルトヴェングラー
が気に入らず、オケ中央上空に1本だけ吊り下げるセッティング
に変更して録音したというのである。

その結果、発売されたレコードは温もりと明快さの組み合わさ
れた「デッカ・サウンド」ではなく、散漫で泥のような音質だった
とも書いている。

ここまで書かれたら、もう諦めるしかないだろう。

子供みたいなフルトヴェングラーの態度には人間として親しみ
を覚えるが、そのために貴重な名演が悲しい録音になってしま
ったことが悔やまれる。


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2010年05月26日

米ウエストミンスターのラボラトリーシリーズ

 
米ウエストミンスターは、1949年にニューヨークで創立され、
数多の名演奏を録音した。

このレーベル、創立メンバーの一人ジェイムズ・グレイソンが
元々ウエストミンスター寺院近くの出身だったのでレーベル名
を「ウエストミンスター」と名付けたらしい。

このウエストミンスターレーベルはモノラルからステレオ初期
にかけ、演奏、録音のよさで高い評価を受けたが、マイナーレ
ーベル故か、資金繰りに行き詰まり、abcに買収されながら
も存続してきたが、いつしか消えてしまった。

モノラル期にはウィーンコンツェルトハウスSQ、バリリSQ、
ウラッハ、ハスキル、デムスと室内楽に強く、オケもボールト、
ロジンスキー、シェルヘンといった指揮者が録音していた。

そんな中、1954年頃オーディオ・マニア用に片面約15分の収録
時間でカッティングに余裕を持たせた、ラボラトリーシリーズ
を発売し、このレコードは当時としては驚異的な30〜18,000Hz
の周波数を誇った。

1WLAB7028.jpg
米ウエストミンスター:W−LAB7028

黒に銀文字で中央上部に宇宙ゴマのようなマークが付く。ジャ
ケットは共通ジャケで色違い。

1WLAB.jpg
こんな感じです(キラキラしているのもあります)

このシリーズは現代の耳で聴いても、鑑賞に堪えうるどころか、
十分満足するくらい”音がいい”。

その証拠にこのラボラトリーシリーズのレコードが出るわ、出
るわで有名な曲からマイナーな曲までその数約30枚。

丁度レコード整理中だったのでこのラボラトリーシリーズを含
め10枚セット1,000円でオークションに出品した。


ちょっと宣伝になっちゃった感じですが、フルトヴェングラー、
ショルティ、ミンシュ、ワルター等の初期盤を含め、1枚で
1,000円としてもお安いレコードに10枚前後のセットとしてい
ますので、興味のある方は絶好のチャンスです。(こっちはと
にかくレコードを減らしたいので、価格が上がるより完売する
方を望んでいるのですが。)

1ショルティ2.jpg1RCA2.jpg
ただいま出品中で〜す(絶対お買い得ですよ)


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posted by メタボパパ at 00:31| Comment(4) | TrackBack(0) | レーベル その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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