2010年01月31日

お別れはタンノイオートグラフで、クレンペラーのブラームス

 
クレンペラーのブラームスの交響曲は4曲全て名演だ。

初期盤にはまり初めた頃、SAXナンバーのレコードはあまり
にも高価で手が出なかった。

同曲同演奏でも、ステレオとモノラルでは価格が月とスッポン。
そこでクレンペラーのブラームスは33CXのモノラル盤で一
枚、また一枚と買い揃えた。

クレブラ3-1.jpg  クレブラ3-3.jpg
クレンペラー/ブラームス:交響曲第3番
英コロンビア 33CX1536

しかも、ステレオ盤と併売されたモノラル終焉のレコード達は
音がいいことは以前ブログで書いたが、このクレンペラーのモ
ノラルレコードも手持ちの再発盤より高弦が筆太で、艶があり、
音が良かったので、ステレオ盤を手に入れるまでは、長い間、
愛聴盤だったし、事実満足していた。

しかも、交響曲第2番だけは今でも愛聴盤だ。

というのも、1、3、4番は幸運にもBS盤を手に入れたが、
なぜか2番だけは手に入らない。

オークションで頑張ってもいつも負けてしまうし、そもそも、
あまり見かけることがない。

また、バルビローリの2番を気に入っているので、クレンペラー
盤への想いが弱いのかも知れない。

今回、オークションで2番を除く1〜4番の3枚を出品した。
落札されるか分からないが、落札されたら今日でお別れになる。

幸い、この土日は実家にいるのでタンノイオートグラフで思う
存分モノラル盤を聴いている。

もうお別れって思いながら聴いていると、初期盤初心者だった
頃の自分を想い出す。

新たな扉が開かれ、未知の世界に一歩足を踏み入れたら最後、
そこは泥沼どころか、辺り一面お花畑。

それまで、初期盤の存在は知っていたが、云うほど再発盤と変
わらないだろうと考えていた私の頭をガツンと殴られたくらい、
衝撃的だった。

その頃購入したクレンペラーのブラームス、本当にお世話にな
りました。そしてありがとう。

これで落札されなかったら、出戻りの娘みたいでお互いバツが
悪くなりそう。

  
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2010年01月30日

いい音とは?(その8:最終回)


自分の中で”いい音”とは何か?を探るため、体験談を綴りな
がら漠然としていたものを明確にしようとしてきた。

まさか、8回も同じテーマで書くとは思いもよらなかったが、
(余計なことを書き過ぎた点はとちょっと反省)おかげさまで
全てがはっきりしたわけではないが、求めている音の中で見え
て来たものをまとめてみようと思う。

まず、コンサートホールや教会といった生演奏を再現しようと
いう「原音再生」は求めていない。というよりもそもそもコン
サートとレコード再生は別物だし、違うところにこそ魅力があ
るのだと思う。

確かにその場にいるような雰囲気は求めているが、私と演奏者
以外は誰も介在しない世界だ。

”いい音”を言葉に表すのは難しいが、出来うる限り具体的に
キーワードから分析してみようと思う。

1.浸透力
   これは我が家で得られていない音で、強さや、直進性と
   言い換えてもいい。弦を擦る基音の力強さ、これがない
   と心に突き刺す感じが欠けてしまう。

2.定位と実体感
   奏者一人一人が微動だにせず定位し、音像が大きくては
   NG。しかし、そこに確かに存在していると感じる血の
   通った実体感が欲しい。

3.音場感
   2.とも関連するが、スピーカーの奥にステージが奥行
   きを伴って、低音の響きがステージ上から広がり、倍音
   の響きの余韻が高さ方向に拡散していく様が見えるよう
   な空間感溢れる音にしたい。

4.低音
   響きが豊かで軽く広がる低音が欲しい。いわゆる音離れ
   の良い音なのだが、引き締まってシャープな低音や、逆
   に足取りの重い低音は好まない。
   30Hz以下の低域は私には必要ないのかも。


以上の4点が必要不可欠な要素だと思う。と同時にこれからも
オーディオを続ける限り、様々な要素が増えていくかも知れな
い。しかし、この4点がある一定の水準を越えれば”いい音”
と感じると思って間違いない。

矛盾するようだが、上記4点を意識する限り”いい音”ではな
いような気もする。というのも、本当に”いい音”に遭遇した
ときは、感動で金縛りにあったように身動きが取れず、そこに
は演奏者と音楽と自分しかいない世界に入り込むからだ。

そしてホラ吹きついでに言わせてもらうと、”いい音”の時に
は、その演奏者の香りを感じるのだ。その音を嗅いだとき、そ
の瞬間の音は間違いなく”究極のいい音”だ。


”いい音”と感じるのは人によって違うので、私の”いい音”
が、皆さんの酷い音の可能性は十分にある。

例えば...

私を初期盤の世界に引きずり込んだ方のタンノイオートグラフ
は私にとって酷い音だった。SME、SPU、ガラード301、
マランツ7、マッキントッシュMC60...いくら世評が高
くても、どこかが壊れているとしか思えない。

こんなものを販売する店側に良心があるのかと思ったくらい。

その方がうちの音を何度か聴いたり、逆に聴きにいったりして、
気心が知れた頃、

 こんなアンプ(チェロとパスラボ)じゃダメですよ。

と言って私を驚かせた。

あの酷い音(ヴィンテージ品というばかりできちん調整されて
いない、音が出るだけの劣化した魅力のない音)で満足してい
る人が、うちの音を聴いて酷いと思っていたなんて、本当に意
外なことだった。

もっと不思議なのは、音のいい初期盤をそれぞれの装置で、聴
くと二人とも”このレコードは音がいい”と感じることだ。


”いい音”とは、万人に”いい音”と感じさせる共通項を持っ
ていると同時に、絶対に相容れない”何か”を併せ持つものな
のかも知れない。

万人に”いい音”と感じさせる普遍性を持ちながら、なお且つ、
自分でも心底”いい音”と感じる音に我が家のオーディオ装置
もなって欲しいとつくづく思う。

そして、その”いい音”から香りを嗅いで欲しいとも思う。

ダラダラと書いた割りにそんなオチかよ。って自分でも思うが
正直に書いてきた結果がこうなったまでのこと。

みなさんの参考になったのか、はたまた反面教師になったかは
分かりませんが...
   
posted by メタボパパ at 02:02| Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月29日

いい音とは?(その7)


定位の不安定さが気になる日々が続き、グライコで調整しつつ
も改善されないまま、ステレオサウンドの取材を受けた。

その音を聴いた石井先生は、

 そんなに定位は悪くない。オケも落ち着いた音でなかなか
 いい感じです。でも、迫力はやはり足りないかな。

と仰った。石井先生のご持参されたCDも聴いての感想だ。

 でも、これだと定位がおかしくなるんです。

と、モーツァルト:魔笛の夜の女王のアリアを聞かせると、よ
うやく定位の不安定さを理解して頂けた。

 それでは、測定してみましょう。

ってことになり、Lchを測定し、Rchを測定すると、

 あれ? おかしいな。 もう一度測定します。

と仰って、Rchを測定し直した。

 やっぱり、おかしい。

測定結果を見ると7、8KHzに異常なピークが出ている。

 もしかして、これですか?

と言って、Rchのツィーターの凹みを見せると、これではピ
ークが出たままになるため、このままでは取材にならない。と
いうことになって、急きょ石井先生にツィーターの凹みを直し
て頂く事になった。(修理の状況は以前ブログに記載済。)

振動板の凹みを修正した後のデータがステレオサウンド172号
の269ページに載っているが、表3で高域のRchが全体的に
下がっているのは、異常ピークがあったので聴感上揃えるため、
グライコでRchの高域を下げていたからだ。

ツィーター修理後のグライコを通さないデータは次の表4にな
るが、ツィーターの凹みさえなければ、高域に関して左右が揃
っていたのには驚いた。

そして、石井先生が調整された後の「いい音の特性」は、ハッ
とするほど”いい音”で、先生に

 何か気になる点があったら言ってください。

と仰られたが、気になる点がないほどだった。低音をかなり持
ち上げたので、ブーミーな音になるのでは?と危惧したが、そ
れどころかよく弾むダンピングの効いた音だし、迫力があって、
揺るがない定位、落ち着いた高域と実に見事なバランスで、こ
の測定と調整の繰り返しで、音がかなり変化し、これほど心に
響くようになるのかと驚いた。

次いで、アキュフェーズDG48を使って、フラットな特性、
高音を下げた特性等々、数種類聴かせて頂いた。

いくら左右の特性が揃っていてもフラットではシャリシャリし
た感じが付きまとって、聴いていられない。また、高音を下げ
たのも低音が物足りなく感じる。

やはり、ベストは「いい音の特性+三つ山特性」だと確信した。


取材後、1週間ほどアキュフェーズDG48をお借りできたの
だが、この時の体験は短い期間だったが色々と勉強になった。
(この件については別の機会に書こうと思います。)

こういったイコライザーを導入することについて不信感を抱く
気持ちも分かるし、アキュフェーズDG48の場合、アナログ
→デジタル→アナログと変換することを嫌うのも分かるが、レ
コード再生だって、振動→電気→振動って変換しているのだか
らそんなに気にしなくてもいいんじゃないかと思う。

最近はテクニクスSH8075を使って少しずつ高域を上げた
り、低域を増減したりして、自分の理想の音を目指している。
(浸透力のある強さだけはどうしても得られないんですよね)

さて、ここまで個人的な体験談を元に”いい音”について書い
てきましたが、次回でいよいよ最終回、うまくまとめられると
いいのですが... 

  
posted by メタボパパ at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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